2023年6月30日
サンディエゴ郡が6月末に公表した報告書によると、2017年から2021年までに郡内で発生した銃関連の死亡件数は、自殺70%、殺人28%、事故2%の内訳になるという。
SD郡は自殺目的の銃使用が最大の割合を示しており、その事実に驚きを隠せない人も多い。
郡当局は「銃犯罪コミュニティ評価最終報告書」の中で、銃による事件を防止する現実的な「介入戦略」の提案を行っている。
具体的には、自殺防止資料の作成と共有、銃暴力に対する社会規範の変革を目指すアウトリーチ・プログラムの策定を挙げている。
また、関連機関との提携により、銃ロックの無料提供を実現する計画も進められている。
さらに、若者向けの銃所持についての意識改革プログラムやメンターシップを含んだ、犯罪・自殺防止の指導・助言を強化していく方針も明らかにした。
加えて、銃犯罪の被害者・家族の救済支援につながる地域社会ネットワークの拡充と、医療機関との連携強化も提案している。
SD郡はこれまでになく銃犯罪削減プログラムの策定に本腰を入れる。
郡の監督官会議への該当報告書と策定計画書の提出は7月18日を予定している。
米国では銃暴力が絶えない現状が続く。
バイデン大統領は悲惨な銃犯罪が相次いでいることを受けて銃規制強化を誓ったが、頑強な抵抗勢力の反対に遭うなど高い壁が立ちはだかっている。
(2023年7月16日号掲載)