Thursday, 21 November 2024

グロリアSD新市長、年頭施政方針演説 具体的なビジョン提示、財政不安も

2021年1月14日

トッド・グロリア第37代サンディエゴ市長は1月13日、任期1年目の年頭施政方針演説をSD市営サンイシドロ図書館からオンラインで伝えた。

演説はサンディエゴ市の公式ホームページからのネット中継のほか、地元ケーブルTVでもライブで放送された。

グロリア新市長は、ホームレス問題地球温暖化対策住宅事情改善社会的公正の維持などをサンディエゴ市の喫緊の課題としているが、収束を見せぬ新型コロナ感染拡大に対応する財政出動が続く中、市の財政基盤が不安定である事実も率直に市民に訴えた。

前市長から1億5,000万ドル (約155億円+) の財政赤字を受け継いだ事実も明らかにしたが、公共サービスを削減する緊縮財政計画の断行については明言を避けた

市長はコロナ禍における厳しい財政状況を踏まえつつ、問題解決の優先事項として、警察組織改革ディジタル・ディバイド (情報格差) 解消購入可能な住宅供給パンデミックで経済的打撃を受けた住民/ビジネスの救済を挙げている。

警察の予算削減は黒人差別問題の解決策にならない ―― との立場をとるグロリア氏は、法執行機関の意識改革と不正行為を監視する第三者委員会と 「人種平等課」 (仮称) の設置を目指す。

低所得者層に広がるディジタル・ディバイドについては、ブロードバンドのインターネットアクセスを容易にするため、市営図書館網、レクリエーションセンター、保養施設などの Wi-Fi 環境を6か月以内に増強するとしている。

グロリア氏は気候変動対策の長期ビジョンを現実的、実効的に進めるため、(地球温暖化対策の) 株式ファンドを新設すると約束。

さらに、コロナ禍で賃貸物件の支払いが滞納している一般住民/スモールビジネスを対象とする支払猶予延長法案が2月中に審議されるという。

新市長は、ダウンタウンとヒルクレスト地区の遊歩道整備ミッションバレー河岸公園建設サンディエゴ国際空港へのトロリー延伸スポーツアリーナ地区再開発にも意欲を示した。

グロリア市長の施政方針演説からは、歴代市長と比較して、より具体的なビジョンが感じられた。


Photo:From San Diego CityTV Live Stream / © The City of San Diego


(2021年2月1日号掲載)