2020年10月7日
新型コロナウイルス感染者と濃厚接触した可能性がある場合にスマートフォンに通知が届く「接触確認アプリ」。
日本では6月から運用されており、導入率が上昇している。
CA州当局がこのシステムを州内で普及させたいと意欲を示す中、カリフォルニア大学サンディエゴ校 (UCSD) が9月24日、接触確認アプリの試験的導入に踏み切った。
アプリの利用は任意で、アプリストアから無料でダウンロードできる。
症状が出るなど感染が疑われる場合には、専門の医療機関の受診やPCR検査を勧めるなど、周囲への感染拡大を防止する効果が見込まれる。
アプリを動かすシステムはIT大手グーグルとアップルにより共同開発され、近距離無線通信「ブルートゥース」の技術も使用されている。
アプリは利用者同士が1メートル以内の距離に15分以上留まった場合、ブルートゥースの機能を使い、互いの端末に数字などを無作為に組み合わせた符号を記録する。
検査で陽性と診断された利用者がアプリに登録すると、記録をトレースして過去2週間以内に接触した人のスマホに通知が届く。
接触情報は更新され、濃厚接触があれば日付と件数が表示される。
UCSDの発表によると、アプリが試験的に導入された9月24日までに、学生と教職員の合計約3,500人が登録を済ませた。
CA州当局は、UCSDの試験的導入で感染防止に一定の効果が認められれば、州民にも利用を奨励していくという。
大学への接触確認アプリ導入が検討されている背景に、全米の新型コロナウイルス感染率で20代が最多という米国疾病管理予防センター (CDC) の発表がある (9月中旬統計)。
SD郡も20~29歳が全体感染者の25.2%と、他の年齢層を引き離している (SD郡保健福祉課/10月7日統計)。
一方で、接触確認アプリの運用にあたり、プライバシー侵害への懸念も示されている。
州当局は個人情報の保護対策として、取得されるデータは感染者本人が陽性登録を行う際にスマホ入力する処理番号に限定し、衛星利用測位システム (GPS) によるロケーション確認や、利用者名、携帯番号などの情報は収集しないという。
(2020年10月16日号掲載)