2022年1月26日
ナショナル・フットボール・リーグ (NFL) のチャージャーズは2017年にサンディエゴからロサンゼルスへ本拠地を移したが、チームオーナーが移転決定を承認したプロセスがリーグ規定に違反しているとして、訴訟を起こされていることが分かった。地元メディアが伝えた。
これは2人の元サンディエゴ市法務官が提訴したもので、NFL、リーグ全チームのオーナー、SD市が被告となっている。
元法務官によると、複数のSD市民から訴訟を起こすよう要請を受けた後、NFL、リーグ関係者、サンディエゴ市に打診したところ何の反応も示されず、市民の納税者としての権利を行使するため、代理人となって、地方自治体の財務会計上の違法性を争う「納税者訴訟」に踏み切ったという。
サンディエゴCA州上級裁判所に1月24日に提出された訴状では、チャージャーズが何百万ドルもの税金を使いながら、チームオーナーのディーン・スパノス会長は市側が提示したチーム残留の諸条件を一顧だにせず、「15年以上前から、ロサンゼルス移転の決心を固めていた」としている。
スパノス氏は1997年の公式声明で、フランチャイズが「深刻な財政難」に陥らない限り、チームはサンディエゴに残るとファンに向けて表明。
しかし、訴状によると、同氏は一方的に「約束を破り」、2017年時点でチャージャーズに10億ドル以上の価値があるにもかかわらず、納税者の要望を無視してロサンゼルス移転を強行したという。
原告は、NFLとチャージャーズは地元残留をめぐって市当局と誠実に交渉せず、2006年から計画を進めていた事実を隠すなど、リーグの移転方針規定に抵触していると糾弾。
トッド・グロリア市長とマーラ・エリオット市法務官は、原告が勝訴した場合は「裁判所が裁定する損害賠償や返還金を受け取るのは市民であり、納税者に還元されることになる。
(提訴の) 成功を願っている」とコメントした。
この訴訟の審理は7月に予定されている。
(2022年2月16日号掲載)