Wednesday, 24 April 2024

SD母港の2空母、沖縄南方で訓練 中国念頭、海自護衛艦参加

2022年1月24日

海上自衛隊は1月23日、米海軍沖縄南方で1月17日から22日まで共同戦術訓練を実施したと発表した。

米海軍はいずれもサンディエゴを母港とする原子力空母の「カールビンソン (CVN-70)」と「エイブラハムリンカーン (CVN-72)」を含め計10隻を投入。

海自からはヘリコプター搭載型護衛艦ひゅうが」が参加した。


米国は台湾をめぐる対立激化を念頭に、周辺海域へ複数の空母を同時に送り込み、日本も巻き込んで、中国への抑止力を示す狙いとみられる。


海自によると、米海軍の10隻は空母2隻に加え、強襲揚陸艦2隻とドック型揚陸艦1隻、巡洋艦2隻、駆逐艦3隻だった。

カール・ビンソンは昨年以来、日本周辺や南シナ海付近に滞在。

海自などとの共同訓練を重ねている。


林芳正外相は共同訓練を開始した17日に外交演説を行い、軍事力を増強する中国に対し日米同盟の抑止力を一層強化する考えを示した。

米国とは、日本の平和と安全の確保や「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、強固な信頼関係の下で緊密に協力すると説明。

中国の動きをめぐり、沖縄県・尖閣諸島情勢で「一方的な現状変更の試みは断じて認められない」と批判し、南シナ海問題でも緊張を高める行為に反対する姿勢を鮮明にした。

さらに、台湾海峡の平和と安定の重要性に言及し、香港や新疆ウイグル自治区の人権状況にも深刻な懸念を示した。

林外相は共通の課題で協力する日米同盟の強固さを内外に表明した。


台湾が中国空軍の新たな侵入を報告する中、米国防総省は24日、サンディエゴに拠点を置く両空母が訓練のために南シナ海域に入り、作戦を開始したと発表した。

声明によると、空母群は戦闘態勢を強化するため、対潜水艦戦作戦、航空戦作戦、海上阻止作戦を含む演習を実施するという。



(2022年2月16日号掲載)