2021年8月18日
米道路交通安全局 (NHTSA) は8月16日、2018年1月以降、様々なテスラの自動車が警察、消防隊、救急隊の現場で車両に衝突した11件の事故について調査を開始したと発表した。
調査の対象となっている車両はテスラの電気自動車 (EV) 約76万5,000台で、2014年以降に製造された「モデルY」「モデルX」「モデルS」「モデル3」の4車種。
NHTSAによると、衝突事故を起こした全車両は「オートパイロット」(半自動運転システム)、または「トラフィックアウェア・クルーズコントロール」(TACC=交通状況認識機能) が作動中だった。事故の多くは夜間に起きている。
事故11件のうち4件が今年発生。
最近では4月にヒューストン郊外、7月にサンディエゴ市内でも起きた。
サンディエゴの事故について、カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール (CHP) の発表によると、7月10日午前3時10分頃、サンディエゴ市内カーメルバレー地区の州道フリーウェイ56号線上で、29歳の女性が運転していたテスラ車が別の事故処理のために停車していた無人のCHP車両に激突。
全面閉鎖されていた56号線を横切って暴走した衝突事故だった。
テスラのイーロン・マスク最高経営責任者 (CEO) は「オートパイロットを使った車両の事故率は通常の10分の1程度」との主張をツイート。
テスラ側はオートパイロットについて「運転手自身が車を監視する必要や責任がある」と呼びかけているが、専門家の間では、完全自動運転が可能であるかのように、安全性を過信させる恐れがあるとの批判が強い。
問題の重大性が確認されれば、NHTSAがリコール (回収・無償修理) の要請を進めるものと思われる。
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(2021年9月1号掲載)