2021年6月9日
「米国境に来ないで」—— 初外遊として6月上旬に中米を訪問したハリス副大統領は、グアテマラの首都グアテマラ市でジャマテイ大統領と会談後の記者会見で、米国への入国を目指す不法移民に向け、陸路で国境地帯に集まるのをやめるよう呼びかけた。
ハリス氏は記者会見で、中米から米国を目指す人に向け「拘束されれば送り返される」と強調。
不法入国を斡旋 (あっせん) して手数料を取る「コヨーテ」と呼ばれる闇業者らが「利益を得るだけだ」と警告した。
ジャマテイ氏との会談では、グアテマラの汚職撲滅、米国への密入国や人身売買の根絶に向けた2つの組織を両国共同で立ち上げることで合意した。
グアテマラには、米国から送り返された人を収容する施設を設けるという。
ハリス氏はメキシコ市でもメキシコのロペスオブラドール大統領と、不法移民問題での協力をめぐる会談を持った。
メキシコを通って米国境に大量に押し寄せる不法移民対策をバイデン大統領から任されたハリス氏は、グアテマラなどの汚職や貧困、暴力などの社会問題が「根本原因だ」と強調。
支援を通じて不法移民を減らす構想を描く。
サンディエゴを含む米南部のメキシコ国境では3、4両月にそれぞれ17万人以上の不法移民が拘束された。
保護者を伴わない未成年も多く、劣悪な収容環境などもあり、人道問題になっている。
不法移民はグアテマラやホンジュラス、エルサルバドル、メキシコの出身者が多くを占めている。
(2021年7月1号掲載)