Friday, 29 March 2024

職場でのマスク規定廃止、ワクチン完了者を対象に 接種後に70代女性死亡、サンディエゴ郡で初のケース

2021年6月21日

カリフォルニアで新型コロナウイルスの感染拡大に伴う規制がほぼ全面的に解除された。

州規制当局は6月17日、完全にワクチンを接種した従業員を対象に、仕事を離れている時と同様の自由を認める、職場でのパンデミック規則の改訂を承認した。

採択された改正規則によると、新型コロナウイルスのワクチン接種を完了していれば、マスク着用義務から解放される。

州労働安全衛生基準委員会は5対1で承認した。

ニューサム知事は、6月28日に発効するはずの規則を通常の法的審査を経ずに、直ちに行政命令を出すことを明らかにした。

この改正規則は、オフィス、工場、小売店など、カリフォルニア州内のほぼ全ての職場で適用される。

同州は昨年3月に外出禁止措置を導入。

その後は感染状況に応じ、規制の緩和と強化が繰り返された。

一時は屋内での営業を禁じられた業種も多かった。

今回の措置について、州内でスポーツジムなどを展開する企業からは歓迎の声が聞かれた。

飲食店からも安堵の声が上がる一方、コロナ禍以前の状態に戻るには時間がかかるとの見方もある。

経済再開を支えるのはワクチンの普及だが、疾病対策センター (CDC) によると、4月のピーク時に1日4,000万回を超えた接種ペースは4分の1程度に鈍化

独立記念日 (7月4日) までに成人の70%が少なくとも1回接種するとのバイデン大統領が掲げる目標は、達成が困難との予測が広がっている。


サンディエゴ郡内の住民が新型コロナワクチン接種を完了後に感染し、死亡するという初のケースが6月8日に報告された。

CDCはこのような稀なケースを「ブレイクスルー」ケースと定義している。

これは、米国食品医薬品局 (FDA) が認可したCovid-19ワクチンの推奨用量の接種後に感染または死亡するケースだ。

SD郡の公衆衛生責任者であるウィルマ・ウーテン博士の発表によると、死亡したのは同郡内に住む70代の女性で、持病があった。

郡当局はこの女性が死亡した日時については言及せず、より感染力の強いウイルスの亜種が原因であるかも不明だという。

SD郡で完全にワクチンを接種した1,677,291人 (6月9日時点) のうち、今回の死亡例はワクチン接種完了者の0.0001%、2021年1月以降の同郡内の感染者の0.08%に相当すると郡当局が述べている。

ワクチン接種者がCovid-19に感染することもあり得るという。

郡当局は、完全にワクチンを接種したサンディエゴ市民458人 (全体の0.027%) が感染して体調を崩したことが報告されており、今年になって4人が入院したことを明らかにした上で、ワクチン完了後でも入院や死亡する人がごく一部存在する」としている。

カリフォルニア州では他にも、ナパ郡やロサンゼルス郡などで、完全にワクチンを接種した住民が死亡したという報告がある。

サンディエゴ郡のデータによると、対象となる同郡民のうち、新型コロナウイルスワクチン接種を完了している割合は67.8%

対象者は12歳以上の住民2,833,418人 (6月20日統計)。

サンディエゴ郡保健福祉課が発表した6月21日時点の統計によると、郡内の累計感染者数は28万1,810人。

累計死亡者数は3,771人。

直近14日間 (6/8~6/21) の1日感染者数は平均71.6人で (5/25~6/7=78.3人)、100人を超えた日は2日のみ。

また、直近14日間 (6/8~6/21) の1日死者数も平均0.50人と減少し (5/25~6/7=1.21人)、集中治療室 (ICU) 搬送者数も1日平均0.43人と1人を割り込んでいる (5/25~6/7=0.86人)。



(2021年7月1号掲載)