Tuesday, 21 January 2025

バイデン氏、秋に12歳未満接種を拡大 SD郡マスク着用を強調、デルタ株警戒

2021年8月1日

米疾病対策センター (CDC) は7月30日、マサチューセッツ州の町で7月に起きた新型コロナウイルスの集団感染で、感染者の74%はワクチン接種を完了していたとの報告書を公表した。

感染力が強いインド由来のデルタ株が多かった。

保有するウイルスの量は未接種で感染した人とほぼ同じで、他の人にうつす懸念があると指摘した。
 

CDCはツイッターでデルタ株は従来のウイルスより2倍感染が広がりやすいと指摘。

流行地域ではワクチン接種完了者も屋内でマスクを着用するよう改めて呼びかけている。

一方で、ワクチン接種は重症化や死亡を防ぐとも強調した。
 

接種完了後の感染は「ブレークスルー感染」と呼ばれる。

米国ではワクチン普及に伴い、今年前半の感染者は大幅に減少したが、デルタ株の猛威で7月は増加し続けており、ブレークスルー感染の拡大が懸念されている。


バイデン大統領は、新型コロナウイルスワクチンの接種対象を12歳未満に拡大する可能性に関して「新学期ごろには最終的な承認がなされると思う」と述べ、学校が再開する今秋に製薬会社からの申請や当局による承認が完了することに期待感を表明した。

バイデン氏は「科学者の判断には干渉しない」とも語り、政権として専門家の見解を尊重する姿勢を強調している。


製薬大手ファイザーは7月下旬、2回の接種で有効性があるとする同社製の新型コロナウイルスワクチンについて、3回目の追加接種を受けることで効果が著しくアップするという新たな見解を示した。

ファイザーが公表した臨床試験のデータによると、3回接種は2回接種と比べて「デルタ株」に対する抗体が18歳~55歳の青年層~中年層で5倍65~85歳の高齢者では11倍の高まりが期待できるという。

同社は、2度目のワクチン接種後、半年~1年以内に3度目の追加接種を受けることを奨励しており、8月中にも連邦の医療規制当局に承認申請を行う構えだ。


サンディエゴ郡当局は7月27日、新型コロナウイルスの感染拡大を抑制するため、規定されたワクチン接種を完了しているか否かにかかわらず屋内の公共スペースでのマスク着用を全住民に求め、米疾病センター (CDC) の新たな指針に従う見解を明らかにした。

Covid-19の中でも感染力の強いデルタ株が米国内で広がり、大流行が起きつつあるというCDCの警告 (7月16日) を重視した措置となった。

屋内マスク着用を再度義務づけたロサンゼルス郡とは異なり、サンディエゴ郡は単に推奨するものだが、これまでの郡当局のメッセージと比べて強いトーンとなっている。

CDCのロシェル・ワレンスキー所長は、ワクチンを接種した人の中にも、感染力のある高濃度のウイルスを保有している可能性がある――と示唆する新しい研究結果を引用。

「この報告は憂慮すべきものであり、残念ながら、これまでの勧告を更新する必要に迫られた」と語った。

CDCのガイダンスによると、直近の7日間に人口10万人あたり50人以上の新規感染者が発生した郡にマスク再着用が適用される。

サンディエゴ郡では、CDCが指針を発表した直前の7月19日から25日にかけて人口10万人あたり約130人の感染者が出ており、ウイルスの拡散が激しい地域の一つと指定されている (CDCオンライン統計)。

7月中旬以降、サンディエゴ郡におけるCovid-19の新規感染者数は上昇ラインを描いており、全米およびカリフォルニア州の傾向を反映している。

サンディエゴ郡保健福祉課の発表では、6月下旬は1日の患者数が概ね100人以下だったが、7月23日には1,264件の感染が報告され、2月5日以来の最多数を記録。

入院者数も増加しており、サンディエゴ市は6月下旬の70人程度から、7月下旬には約3倍の200人に達した。


(2021年8月16号掲載)