2021年5月5日
ジョンズ・ホプキンズ大の集計によると、新型コロナウイルスの感染者が4月末日現在、世界全体で1億5,000万人を超えた。欧米などで感染拡大は鈍化傾向にあるものの、国別2位の人口を抱えるインドでの急激な増加を受け、1,000万人増に要した日数は13日とこれまでで最も短く、過去最悪ペースでの増加が続いている。
ワクチン接種が進む一方で、変異株の流行などを受けた感染者の増加に伴い、3月中旬から死者数も増加に拍車が掛かっており、世界全体で315万人を超えている。
国別では米国が感染者3,200万人、死者57万人でいずれも世界最多。
感染者はインドが1,800万人、ブラジルが1,450万人を上回り、これら3か国で世界全体の4割強を占めている。
米製薬大手ファイザー製の新型コロナウイルスワクチンをめぐり、ニューヨーク・タイムズ紙 (電子版) は5月3日、食品医薬品局 (FDA) が来週初めまでに、接種対象年齢を12~15歳にも広げる見通しだと報じた。
当局者の話として伝えた。
現在は16歳以上となっている緊急使用許可を、早ければ5月中旬にも拡大する可能性がある。
ファイザーは3月、米国で12~15歳を対象にした臨床試験 (治験) で、この年齢層にも有効性を確認し、副反応もこれまでに知られている範囲のものと発表。
4月にFDAに対象年齢拡大を申請した。
同社は生後6か月から11歳への治験も段階的に進めている。
米疾病対策センター (CDC) は4月29日、米ファイザー製と米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの有効性について、2回接種した65歳以上の高齢者は未接種の高齢者と比べ、入院するリスクが94%低かったとする分析結果を発表した。
1回接種でも、2週間後の入院リスクは64%低かった (米国内で400人余りを分析した結果)。
両社のワクチンはメッセンジャーRNAという遺伝物質を利用した新しいタイプ。
実用化前の治験で重症化を減らす有効性が示されており、CDCによると、米国では65歳以上の高齢者の約8割がワクチンを少なくとも1回接種し、約7割が接種を完了している。
サンディエゴ郡はカリフォルニア州当局が規定した 「ビジネス制限レベル」の 「オレンジ」 (Tier 3) に緩和されてから1か月が過ぎた。
州内3大都市圏のうち、ロサンゼルス郡とサンフランシスコ郡は最も制限の少ない「イエロー」 (Tier 4=低度の新型コロナウイルス蔓延) の段階に移行した。
「イエロー」はソーシャルディスタンスとフェイスマスク着用遵守が条件ながら、基本的にビジネス再開が100%可能になる。
3大都市圏の一角を占めるサンディエゴ郡は残念ながら「イエロー」への緩和がお預けとなった。
「イエロー」へ進むためには人口10万人あたりの1日の新規症例数が2件未満 (2%未満) という規定がある。
サンディエゴ郡保健福祉課が発表した5月5日時点の統計によると、同郡の直近7日間の陽性率は2.2%。
今後の感染率低下に期待を寄せたい。
5月5日の統計によると、サンディエゴ郡内の累計感染者数は27万7,097人。
累計死亡者数は3,716人。
直近14日間の1日感染者数は平均186.4人で、200人を超えたのは4日のみ。
また、直近14日間の1日死者数も平均2.78人と減少ラインを描いている。
集中治療室 (ICU) 搬送者数も1日平均1.36人の低率を維持している。
*ワクチン接種場所の確認と事前予約は vaccinationsuperstationsd.com。
* myturn.ca.gov に登録して基本情報を入力するとワクチン接種の順番確認と予約可。
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(2021年5月16日号掲載)