Wednesday, 24 April 2024

大坂選手の決断、米メディア反応 ダルビッシュ投手も気遣うコメント

2021年6月2日

女子テニスの大坂なおみ選手 (日清食品) が鬱 (うつ) を公表して全仏オープンを途中棄権したことを、米メディアは「テニス界の悲しい日」 (ニューヨーク・タイムズ紙電子版) などと大きく報じた。

大坂選手が健康状態について大会主催者側と十分な意思疎通を図るべきだったとの指摘がある一方、主催者側の強硬な対応を批判する声も上がっている。


NY・タイムズ紙は、大坂選手の影響力の大きさや、メンタルヘルスという問題の繊細さを踏まえると、より明確な説明があれば、主催者側は問題解決に協力していたはずだと強調。

途中棄権は「テニス界の誰もが望まぬ結末だった」と惜しみ、意思疎通ができていれば事態は回避できたとの見方を示した。
 

一方、米メディアのブリーチャーレポートは主催者側が「大きな対応ミス」を犯したと批判。

大坂選手に示した強硬姿勢は「(主催者側が) スター選手を疎外して途中棄権に追い込む一方、メンタルヘルスの問題には真剣に向き合っていないように見える状況をつくり出した」と解説した。
 

多くのメディアは記者会見での大坂選手を「洞察に満ち、魅力と温かさが伴っていた」 (ワシントン・ポスト紙電子版) などと評価してきた。

スポーツ・イラストレーテッド誌電子版は、記者対応が「不安」の原因に挙げられたことに「多くの記者が驚いている」とコメント。

パドレスのダルビッシュ有投手は6月3日、サンディエゴで行われたメッツ戦登板後にオンライン会見し、大坂選手が鬱を告白したことに「(健康そうに) 表に見せている顔と家に帰ったときの顔は僕らは変わる」などと言及した。
 

自身もレンジャーズ時代の2016年オフから長らく、原因不明の体調不良や精神的な苦痛に悩まされた。

「ここ (球場) に来ませんとなると、他の人に迷惑がかかるから、結局、来なければいけない。それをずっと我慢して大坂選手もやっていたと思うし、すごく大変なことだと思っている」と気遣った。


Picture: © Leonard Zhukousky / shutterstock.com


(2021年6月16号掲載)