2023年3月17日
WBC準々決勝。
3月16日。
日本 vs イタリア。
胴上げ投手となった2009年大会を彷彿 (ほうふつ) させるダルビッシュ有 (36) の救援登板に、客席が沸いた。
大谷翔平 (28) ら投手陣のバトンを継ぎ7回にマウンドへ。
「侍ジャパン」は7-2と優位に立っていたが「点を取られたら嫌なところ」と、気迫十分に打者3人でねじ伏せ、右拳を握って咆 (ほ) えた。
続く8回は1死からソロ本塁打など2安打を許したものの、速球で詰まらせて二ゴロ併殺で脱した。
先発した10日の韓国戦は3回3失点。
大会規定により直前の実戦登板ができずに臨んだ影響を露呈したが、一度投げて「球も走るようになってきた」と実感していた。
大リーグ勢でただ一人強化合宿から参加し、後輩に惜しみなく技術論、経験論を伝えた。
栗山監督も「『ダルビッシュ・ジャパン』と言ってもいい」と最大限の敬意を表した。
14年前は準決勝から抑えに配置転換。
韓国との決勝で最後の打者を三振に取り、両拳を握った場面はファンの記憶に刻まれた。
今回の同僚は幼少期に自身の投球を見て憧れた世代。
「そういう選手たちとプレーするのはうれしい」と照れながら語っていた。
夏には37歳を迎える。
パドレスと6年契約を結んだばかりだが、現役生活の終わりも意識する。
「ここで育ててもらったおかげで今がある。(現役で) 最後になるかもと、噛 (か) みしめて投げた」。
日本開催の最終戦で雄姿を届けた。
(2023年4月1日号掲載)