Friday, 29 March 2024

オーストラリア、最大5隻の原潜導入計画  サンディエゴで3首脳会談

2023年3月15日

3か国の安全保障枠組み「AUKUS (オーカス)」は3月13日、サンディエゴ首脳会談を開き、オーストラリアへの原子力潜水艦導入計画を発表した。

同国が2030年代に米国の原潜を最大5隻調達し配備する。


台湾周辺や南シナ海で海洋進出を続ける中国との競争の長期化を見据え、抑止力強化を図る。


バイデン米大統領、英国スナク首相、豪アルバニージー首相の対面会談は2021年9月のオーカス創設後初めて。

オーストラリアは南シナ海や台湾近海、沖縄県・尖閣諸島周辺で長期間の作戦行動が可能になり、中国は反発。

また、原潜は核保有国しか所有しておらず、中国は非核保有国オーストラリアが技術を獲得すれば、核不拡散に逆行するとして批判を強めそうだ。


中国外務省の汪文斌 (おう・ぶんひん) 副報道局長は14日の記者会見で、オーストラリアへの導入計画に「断固反対する」と述べた。


計画では、2030年代前半に米海軍のバージニア級攻撃型原潜をオーストラリアが3隻購入。

必要に応じて2隻を買い足す。

原潜には通常兵器のみを搭載し、核技術は推進力だけに使う方針。


バイデン氏は原潜が「核兵器を装備するわけではない」と強調し、核拡散への懸念払拭を図った。

アルバニージー氏は「核拡散防止条約 (NPT) 上の義務を引き続き順守する」と述べ、核兵器保有の意図を否定した。


オーカスは独自の原潜生産も目指す。

英国が設計し、米国の技術を採用した新たな原潜オーカス」を英豪が建造。

英国は2030年代後半に、オーストラリアは2040年代前半に1隻目を完成させる。


米国と英国はそれぞれの原潜のオーストラリア寄港を増やすほか、オーストラリア兵を米英の潜水艦部隊で勤務させて経験を積ませる。

米英の潜水艦部隊を2027年にもオーストラリアにローテーション配置する。


(2023年4月1日号掲載)