2023年3月13日
米沿岸警備隊 (Coast Guard) は3月12日、ラホヤショアーズの北方約15マイルに位置するブラックズビーチの浅瀬で2隻の移民密航船が転覆し、少なくとも8人が死亡したと発表。
米国沖で起きた人間密航の事故で最多の死者を記録した。
当局によると11日夜、転覆したパンガ式ボート (漁船) の1隻に乗っていた女性がスペイン語で「911」に救助を要請し、2隻のボートに合計23人が乗船していたと告げた。
沿岸警備隊とサンディエゴ消防救急隊は、濃霧の中、行方不明者の捜索に苦労しながら、海中から成人8人の遺体を引き上げた。
捜索活動は12日に再開されたが、新たな遺体は発見されず、同日午後3時30分に捜索を中止した。
当局の話では、13日に救助隊員が現場に到着した時、2隻のボートが浅い水域で転覆している状態を確認。
事故発生時の海上のうねり (波の高さ) は約3フィート (約1メートル) で、風浪 (波動) は比較的穏やかだった。
転覆の主因は断定されていないが、上空は暗く、現場には深い霧が立ち込めており、悪天候が大きく影響したとみられる。
行方不明者は不法入国の罪に問われるのを恐れ、陸路で逃走した可能性もある。
ブラックズビーチはラホヤの人気海岸。
南カリフォルニアで最高の波乗りスポットの一つとしてサーフィン愛好家に知られている。
カリフォルニア沿岸では年間数百件の密航船が摘発され、時には致命的な事故につながることもある。
近年では2021年5月、サンディエゴ沿岸で荒波に翻弄された密航船が転覆し、3人が死亡、20人以上が負傷している。
*写真はイメージ
(2023年4月1日号掲載)