重症化1%未満、蚊の駆除を奨励
2020年8月15日
SD郡内で今年第1号となる西ナイル熱感染者が8月11日に確認された。
SD郡保健福祉課の発表によると、初の患者はアルパイン在住の61歳男性で、7月にアリゾナ州ユマを訪問し、帰宅後の7月18日に陽性反応が出て緊急入院となった。
感染した場所は不明。
元来、西ナイル熱は北アフリカの風土病で、1937年にウガンダで西ナイルウイルスが初めて確認された。
CA州で検出されたのは2003年8月。
以来、SD郡保健福祉課は防疫体制を充実させ、住民に向けて「長袖・長ズボンの着用」「ボウフラの生息拠点の根絶」を呼び掛けてきた。
毎年、SD郡では2人~20人台の範囲で西ナイル熱感染者が出ている。
西ナイルウイルスの主媒介はヤブカ属の蚊で、人にも動物にも感染し、約20%の患者に風邪に似た症状 (発熱、頭痛、吐き気、息切れ、皮膚発疹、リンパの腫れなど) が出るが、発症しても多くは数日~1週間で回復する。
致死率は1%未満 (150人に1人) と低いが、50歳以上の中高齢者や基礎疾患を持つ場合は重篤な症状を起こす危険性がある。
今年の主媒介となる蚊は、ヤブカ属でも特にネッタイシマカだという。
この蚊は人間の足・脚部を集中的に攻撃するので、他種の蚊と比べて近づいてくる音が聞き取りにくい難点がある。
また、庭先の水溜り、鉢植え植物の受け皿に溜まる濁り水に卵を産むので、近辺の水溜りの処理に注意を払う必要がある。
(2020年9月1日号掲載)