2020年9月18日
新型コロナウイルス対策をめぐり、トランプ大統領と米疾病対策センター (CDC) 幹部が9月16日、マスク着用をめぐっても対立した。
CDC側が着用による流行抑止を訴える一方、マスク嫌いのトランプ氏は「マスクがワクチンより有効だということは決してない」と主張し、早期普及を掲げるワクチン重視を鮮明にした。
11月の大統領選に向け、新型コロナ対策は最重要争点の一つとなっている。
マスクについてトランプ氏は「好まない人もいる」と述べ、着用呼びかけに消極姿勢を維持。
民主党の大統領候補バイデン前副大統領は9月16日の会見で、当選すれば全州知事に着用義務化を命じる大統領令を検討するとし、違いを強調した。
9月16日の上院委員会の小委員会公聴会でCDCのレッドフィールド所長は「ワクチン接種で免疫ができない場合もある。マスクの方が有効だ。マスクは公衆衛生を守る最強の道具で全国民に着用を勧める」と証言した。
この後の記者会見でトランプ氏は「マスクはワクチンほど重要ではない」と反論し、レッドフィールド氏は質問を誤解して回答したと主張した。
最近では、上部組織の厚生省の広報担当となった元トランプ陣営職員が、CDC発行の調査報告書をトランプ氏に不都合がないか点検して公表を遅らせたり、CDC内に反トランプの陰謀があると根拠なく発言したりしたことが発覚。
この広報担当は健康問題を理由に休職扱いとなった。
(2020年10月1日号掲載)