未承認薬の使用急増 イベルメクチン、家畜用も

2021年9月8日

米国で新型コロナウイルス感染症の予防や治療目的で抗寄生虫薬「イベルメクチン」を使用する人が増えている。

米食品医薬品局 (FDA) は新型コロナ治療薬として承認していないが、保守系メディアが効果があると宣伝し、人用だけでなく高濃度の家畜用薬を服用する人も急増

体調を崩す例も報告され、FDAは注意を呼びかけている。


「あなたは馬でも牛でもない。皆さん、本当にやめて」

FDAは8月下旬にツイッターで、新型コロナ対策で家畜用イベルメクチンを服用するのは危険だと異例の警告を出した。
 

イベルメクチンは熱帯感染症の特効薬の一つ。

新型コロナウイルスに対する有効性や安全性を調べる臨床試験を各国で実施中だが、FDAは「現時点で有効性を示すデータはない」としている。
 

米メディアによると、今年8月に全米の毒物相談窓口に寄せられたイベルメクチンの相談件数は459件で、前月比で300件以上増加。

各地の病院には家畜用を服用して搬送される人も相次ぎ、幻覚症状が出て9日間入院した人もいる。
 

服用増加の要因とされるのは、当局によるワクチン接種やマスク着用義務化の動きに反発する保守派だ。

代替策としてイベルメクチン服用を著名人らがメディアで推奨し続けている。

ニューヨーク・タイムズ紙は、FDAなどの警告も「抑止になっていない」と警鐘を鳴らしている。 


(2021年9月16号掲載)