2021年8月17日
アフガニスタンの首都カブールを掌握した反政府武装勢力のタリバンが「アフガン戦争は終結した」と宣言。
ロイター通信などによると、タリバン側は8月16日、政権を整える前に「全ての駐留外国軍の撤退を望む」と主張した。
一方で、国際社会との関係構築を目指すと表明。
融和姿勢も見せることで、旧政権時代にイスラム教の厳格適用を主張し、女性の権利を抑圧したことへの懸念払拭を狙う構えだ。
2001年の米中枢同時テロ後の米英軍による攻撃で旧政権が崩壊したタリバンは、駐留米軍の撤退完了前に大攻勢をかけ、武力で民主政権を瓦解させた。
バイデン政権にとり約20年ぶりの復権を許す誤算。
追加増派を急きょ打ち出すなど対応は後手に回った。
米メディアや議員から拙速な撤退が招いた結果だとバイデン大統領への批判が噴出。
テロ組織が再び台頭する恐れも強まる。
タリバン側は「全土で衝突は確認されていない」として市民に受け入れられていると主張。
新政権については「近く明らかになる」とし、崩壊した民主政権のメンバーを加えるなどして包括的になるとアピールした。
ブリンケン国務長官は15日、想定外の速さで情勢が悪化したと認めた。
バイデン政権は、在留米国人の安全確保のため12日からほぼ連日、米軍増派を決定。
駐留規模は一時的に6,000人となる計画で、4月下旬の撤退開始時の約2,500人から倍以上に膨れ上がる皮肉な結果となった。
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(2021年9月1号掲載)