2021年7月1日
麦の一種であるオーツ麦から作られる牛乳の代替飲料「オーツミルク」の人気が米国で高まっている。
健康志向に加えて、製造過程での環境への影響が小さいことが評価されており、コーヒーチェーンのスターバックスやドーナツチェーンのダンキン・ブランズ・グループがメニューに採用した。
スーパーでも関連製品が棚に並び、専業メーカーは株式上場した。
オーツミルクは牛乳に比べてカロリーが低く、食物繊維が豊富に含まれる。
同じ植物性ミルクの豆乳よりスッキリした味わいの商品が多く、コーヒーとの相性が良いのが人気の理由だ。
スウェーデンに本社を置くオーツミルク製造大手オートリーグループは5月、ナスダック市場に上場。
新規株式公開 (IPO) で約14億ドル (約1,500億円) を調達し、生産能力を増強する予定だ。
スターバックスは今春から全米の店舗でオートリーの商品を使った飲料を販売し始めたが、人気が高まり品不足に陥った。
ダンキンも昨年から全米でオーツミルク製品を提供している。
植物性ミルクは牛乳よりも生産に必要な土地やエネルギーが少なくて済み、温室効果ガスの排出も抑えられる。
オーツミルクはその中でも特に環境に与える負荷が小さいとされ、持続可能性を重視する企業や消費者に注目されている。
調査会社のニールセンによると、米国のオーツミルクの売上高は1年間で約2.2倍に増加した。
一方、豆乳やココナツミルクは減少したという。
(2021年7月16号掲載)