2020年12月4日
バイデン次期大統領は12月3日、CNNテレビのインタビューで、大統領に就任する来年1月20日に新型コロナウイルス対策として、100日間マスクを着用するよう米国民に呼びかけると表明した。
事実上各州任せにしてきたトランプ政権から転換、最優先課題として対策を主導する方針を鮮明にし、政権交代の象徴的な取り組みとなりそうだ。
世界最多の感染者数を出している米国では12月に入り新規の感染死者が過去最多を記録した。
バイデン氏は対策で「国家的な基準を設ける」と指摘。
マスク着用は「たった100日だ。永遠ではない」と強調し、ワクチンと合わせれば感染者が「大きく減るだろう」と語った。
州管轄下には強制権は行使できないが、連邦政府の建物や州をまたぐ旅客機やバスなど大統領権限が及ぶ場所ではマスク着用を義務化すると明言した。
ワクチンをめぐり「効果に対する信頼を失っている」と接種を拒否する国民が続出する懸念を示し、安全性が確認された場合は、公共の場での接種を「喜んで受ける」と模範を示す考えを明らかにした。
トランプ政権で新型コロナ対策の中心的役割を担いながら、トランプ氏と対立する局面もあったファウチ国立アレルギー感染症研究所長については、バイデン次期政権でも引き続き同じ役割を任せたいとの考えを伝えたという。
インタビューにはハリス次期副大統領も同席した。
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(2020年12月16日号掲載)