Wednesday, 12 February 2025

米国が「イスラム国」壊滅主導

米国が「イスラム国」壊滅主導、太平洋国家を宣言

紛争関与に “限界” 明記、オバマ政権が安保戦略

2015年2月7日


against isisオバマ政権は2月6日、残り任期2年の安全保障政策を包括的に示す「国家安全保障戦略」 を公表した。

過激派「イスラム国」 の壊滅に向けた国際社会の取り組みを米国が「主導」 する決意を示すとともに「太平洋国家であり続ける」 と宣言、日米同盟強化を含めたアジア重視戦略を推進していく方針を打ち出した。

一方で「米国の影響力には限界がある」と明記し、米国単独で国外の紛争や課題に関与することは回避したいオバマ大統領の姿勢を明確にした。

米軍によるイスラム国空爆開始から2月8日で半年。

さらなる長期戦が予想される中、人質殺害などに揺れる米国内や有志国を引き締め、結束を固める一助にしたい考えだ。

国家安全保障戦略の公表は2010年以来で、オバマ政権下で2回目。

イスラム国の台頭など新たな脅威を盛り込み、国際社会との連携を強化して危機を克服する基本方針を示した。

「アジアの長期的な針路を定める上で、米国の指導力は今後も不可欠」 として、アジア重視戦略に揺るぎはないと強調。

環太平洋連携協定 (TPP) が「その取り組みの中心だ」と指摘し、交渉妥結を目指す立場を表明した。

中国に対しては、海洋の安全や人権などで国際規範を順守するよう求めていくと明記。

日本や韓国など地域の同盟国との関係を強化し「危機に対する各国の対処能力の向上」を図るとした。

ただ、安全保障上の難題を抱えても「不安感に根ざした決断によって、無理な行動をすることは避けなければならない」 として、軍事力の安易な行使を避ける必要性を指摘した。

「無責任な国家やテロリストによる核使用」の危険をなくすため、今後も「核兵器なき世界」 を追求すると表明。

同時に、核廃絶までの間は核抑止力を維持するとしている。


(2015年3月1日号掲載)