人気キャスター復帰困難、信頼性が命
イラク戦争取材で誇張された武勇伝
2015年2月16日
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© Everett Collection / shutterstock.com |
NBC-TVの看板キャスター、ブライアン・ウィリアムズ氏 (55) が、イラク戦争取材時に搭乗ヘリコプターが被弾したと語ってきた武勇伝を虚偽と認め、半年間の降板になった。
「信頼性が命」 (米メディア) の職業だけに、降板決定に異論は出ていない。
同氏をかばう声もあるが、復帰は難しいとの見方が広がる。
USAトゥデー紙のコラムニスト、レム・リーダー氏は紙面で 「キャスターに求められるのは何より信頼性。ゲームオーバー (終わり)」と突き放した。
ワシントン・ポスト紙のコラムニスト、ルース・マーカス氏も「辞めるべきだ」と断じた。
米国で夕方のニュースを担当する各局のキャスターは報道の顔。
時代を遡ればCBSのウォルター・クロンカイト氏 (故人) らが知られる。
世論に絶大な影響力を持ち、高い倫理観が期待される。
ネットの普及でTVニュースの黄金時代は去ったが、それでもウィリアムズ氏の「ナイトリー・ニュース」の視聴者は約900万人に上った。
ウィリアムズ氏については、2005年のハリケーン「カトリーナ」の取材をめぐり、水に漬かっていなかったはずの場所で「遺体が浮かんでいるのを見た」と語った点も誇張の疑いが出ている。
イラクの武勇伝は個人的な話で、ニュースではないとの指摘もある。
(2015年3月1日号掲載)