LA地裁、慰安婦像撤去の訴え棄却
反スラップ州法に基づく判断、原告上訴へ
2015年2月26日旧日本軍の従軍慰安婦問題を象徴する少女像が設置されたロサンゼルス近郊グレンデール市の日系人住民らが、市に像を撤去するよう求めた訴訟で、ロサンゼルスの地裁は2月23日までに、原告の主張は表現の自由の侵害に当たるとして、訴えを事実上棄却する判断をした。
裁判所は判断を「予備的」としているが、3月24日の正式な判決の際も大筋は変わらないとしており、原告側は「上訴する意向」だという。
原告は、慰安婦像は連邦政府だけが持つ外交権限を侵害するもので、合衆国憲法に違反するなどと訴えていた。
市はこれに対し、憲法で保障された言論の自由などを侵害する訴訟 (スラップ) だとして、反スラップ州法に基づき却下を要求、裁判所は市の要求を認めた。
原告側は「(日本政府が) これらの犯罪の歴史的責任を受け入れるよう求める」などと書いた像の碑文についても、市議会の承認がなく違法」と主張したが、地裁ではこれも認められなかった。
菅義偉 (すが・よしひで) 官房長官は25日の記者会見で、原告の訴えを退ける方針を示したことに関し、
「像設置は日本政府の考え方と相容れない。現地の方も政府と同じ思いで提訴に踏み切ったのだろう。極めて残念なことと受け止めている」と述べた。
(2015年3月16日号掲載)