オバマ政権、年次有給休暇の制度化目指す
「先進国で保障されていないのは米国だけ」
2015年3月13日オバマ政権は、日本では戦後間もなく導入された「年次有給休暇」の制度化を図っている。
オバマ氏は残り任期2年を切り、最低賃金引き上げなど格差是正を進め功績づくりを目指すが、議会を支配する野党共和党は規制強化が経営の制約になるとして慎重な構え。
制度改革は一筋縄ではいきそうにない。
「先進国で病気や出産の有給休暇が保障されていないのは米国だけ」。
オバマ氏は1月の一般教書演説で、年7日の病気や出産の際の有給休暇を全労働者が取得できる法整備を議会に要請。
大統領経済報告では「家庭に配慮した政策が米経済成長の要」として、仕事と家庭を両立できる職場づくりを訴えた。
米国では有給休暇は企業の裁量に委ねられ、法律で義務付けているのは一部の州に限られる。
有給休暇が取得できているのは労働者の約6割で、給与水準が低い業種ほど導入していない傾向がある。
無給では年12週まで休暇が認められるが、低所得者は仕事を休む余裕がないのが実態だ。
日本には6か月以上の継続雇用者に最低10日間の有給休暇を与える制度があり、14週間の産休が定められているが、取得率は低く、厚労省は有休取得を会社側に義務付ける方針だ。
(2015年4月1日号掲載)