ユタ州知事、銃殺刑復活法案に署名
執行用薬物不足による措置、“野蛮” 批判も
2015年3月24日ユタ州のゲイリー・ハーバート知事は3月23日、死刑の執行方法として銃殺刑を認める法案に署名、米国で銃殺刑を認める唯一の州になった。
同州では薬物注射による死刑が行われてきたが、死刑に批判的な欧州の製薬会社が執行用薬物の供給を停止し、薬物不足に陥ったため。
ユタ州では銃殺による死刑執行が長く続けられ、死刑執行の任務に志願した5人の警察官で「銃殺隊」が組織されていた。
2004年に銃殺禁止の州法が成立して廃止となったが、法律不遡及の原則から、それ以前に銃殺刑の判決を受けた死刑囚に適用された例がある。
今回のハーバート知事の署名で復活した銃殺刑に対し、反対する団体らからは「野蛮だ」との批判が強まりそうだ。
同州では執行用薬物がある間は、従来の薬物注射による死刑執行を続ける。
ハーバート知事は「銃殺刑はぞっとするものだが、死刑制度を持つ州として薬物がなくなった時に備えて代わりの方法を準備する必要がある」と述べた。
死刑制度のある州では主に薬物注射による死刑が行われているが、執行用薬物供給の停止により代替薬物を用いた場合、死刑囚が絶命までに長時間苦しむケースが問題視されていた。
(2015年4月16日号掲載)