Saturday, 31 May 2025

オバマケア廃止を先送り

オバマケア廃止を先送り

トランプ氏、大統領選後に

2019年4月4日


トランプ大統領は4月1日夜、オバマ前民主党政権が導入した医療保険制度 (オバマケア) に代わる新たな制度の議会採決を、2020年の大統領選と、同時に実施される上下両院選の後に先送りする方針をツイッターで示した。

トランプ氏は3月下旬に「共和党は医療保険の党になる」 と表明。

前回大統領選の主要公約だったオバマケア廃止と新制度の導入を目指して、共和党に早期の草案作成を指示したが難航していた。

共和党上院トップのマコネル院内総務は2日、トランプ氏と1日に会談したことを明らかにした。

共和党上院としては来年の選挙前にオバマケアを見直すのは政治的に危険なため、取り組まない考えを伝えたという。

共和党内ではオバマケアの具体的な代替案がないまま選挙戦に突入すれば不利になるとの声が根強く、トランプ氏は方針転換を余儀なくされたもようだ。

オバマケアは2010年に成立した医療保険改革法に基づく保険制度。

国民皆保険がない米国で、公的補助を通じ国民に保険加入を義務付けた。

既往症のある人も加入したため保険会社の経営が圧迫され、保険料が上昇した。

トランプ氏は1日、ツイッターでオバマケアは保険料などが「高すぎる」と批判し「共和党はオバマケアよりずっと低い保険料の医療制度を計画している」と主張。

「共和党が選挙で上院の過半数を維持し、下院の過半数を奪還した直後に採決される」と書き込んだ。

2日にもホワイトハウスで記者団に「下院を取り戻し、上院過半数と大統領を維持できれば、素晴らしい医療保険を手に入れられるだろう」と述べ、オバマケア廃止を諦めない考えを強調した。


(2019年4月16日号掲載)