下院、年内弾劾訴追目指す

下院、年内弾劾訴追目指す

大統領選にらみ早期決着
トランプ氏、民主党と攻防

2019年11月15日

トランプ大統領のウクライナ疑惑で、弾劾調査を進める下院のアダム・シフ情報特別委員長 (民主党) は11月13日、初の公聴会を開催後「力強い証言を得られた」と述べ、今後の調査進展に手応えを示した。

下院多数派の民主党は年内に弾劾訴追し、来年1月中に上院での弾劾裁判を済ませたい考え。

2月から本格化する大統領選をにらみ早期決着を図る意向だ。

トランプ氏を支える共和党と民主党の攻防が激化する。 弾劾裁判で大統領を有罪とし罷免するには出席議員の3分の2の賛成が必要で、共和党が上院で過半数を握る現状での有罪判決は難しいとみられている。

シフ氏は「米国の大統領がどうあるべきかが問われている」と述べ、党利党略を乗り越えるよう共和党に訴えた。

弾劾の日程は流動的で、ワシントン・ポスト紙によると共和党内では弾劾裁判の審議を長引かせ、民主党の候補者指名レースを揺さぶるべきだとの意見も出ている。

有力候補にはエリザベス・ウォーレン、バーニー・サンダース両氏ら上院議員が多い。

弾劾裁判は全議員の出席が求められ、選挙運動が制約される恐れもある。

情報特別委は11月15~21日に公聴会を4回開催し、政府高官ら9人が証言する予定。

トランプ陣営への大口献金者で政治任用されたゴードン・ソンドランド駐欧州連合 (EU) 代表部大使の証言が注目されている。

トランプ氏の意向を受けウクライナ側との折衝に深く関わったとされる。

疑惑の核心となっている7月の米—ウクライナ首脳電話会談を直接聞いた国家安全保障会議 (NSC) 高官のアレクサンダー・ビンドマン陸軍中佐の証言も焦点となる。

民主党は今後、各委員会で集めた証拠を司法委に送り、権力乱用や議会の調査妨害など具体的な訴追案を賛成多数で可決し、クリスマス前の訴追を狙う。


(2019年12月1日号掲載)