次世代リーダー VS. 保守派代表格
2020年8月13日
11月の大統領選の民主党候補となるバイデン前副大統領 (77) が8月11日、副大統領候補に黒人女性カマラ・ハリス上院議員 (55) を選び、いよいよ選挙戦が本格化する。
高齢のバイデン氏は当選しても2期目を目指さない可能性があり、万が一の際に職務を引き継ぐのも副大統領だ。
次世代リーダーの筆頭候補に躍り出たハリス氏に、共和党のトランプ大統領 (74) は対決姿勢を露 (あらわ) にしている。
当選すれば1期目の大統領として最高齢の78歳で就任するバイデン氏は、自身の役割を次世代の政治家への「橋渡し」と明言。
「移行期の候補」とも語っており、再選を目指さない可能性を示唆したと受け止められた。
2024年大統領選で民主党の最有力候補となり得るため、今回の副大統領候補選びは注目度を増していた。
一方、トランプ氏は8月11日の記者会見で「上院で最も意地悪く、無礼だ」とハリス氏を罵 (ののし) り、ツイッターに投稿した映像でバイデン氏とのコンビを「米国にふさわしくない」などと酷評。
大統領選で自身とコンビを組むマイク・ペンス副大統領 (61) を「非常に信頼できる」と持ち上げた。
ペンス氏は同性婚の禁止などを求めるキリスト教福音派で、保守派の代表格。
ハリス、ペンスの両氏は10月7日に副大統領候補討論会で対決する見通しとなっている。
バイデン氏の副大統領候補選びは当初の予定よりもずれ込んだ。
上昇志向が強いとされるハリス氏に対する批判が候補者選考委員会委員からメディアに漏れ、候補リストに名前の挙がった政治家らによるアピール合戦が激化。
バイデン氏が目指す党内融和が揺らぎかねない事態になっていた。
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(2020年9月1日号掲載)