Saturday, 22 February 2025

全米の住宅販売が好調

コロナで郊外需要加速



2020年8月6日


密集を防ぎやすい郊外の人気が高まり、引っ越しの決断を歴史的な低金利が後押ししている。

新型コロナウイルス流行が経済に深刻な影響を与える中、米国では住宅市場が好調だ。


市場の大半を占める中古住宅の販売戸数は4、5月に大きく落ち込んだ。

だが、全米不動産業者協会 (NAR)によると、6月は年率換算で前月比20.7%増の472万戸。

統計が遡 (さかのぼ) れる1968年以降で最大の増加率となった。


NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「大都市よりも郊外や小都市で販売が好調だ」と指摘する。


在宅勤務が拡大する米国では広いスペースを確保できる住宅を好む傾向が強まっている。

感染リスクを下げるため地下鉄やバスといった公共交通機関を敬遠し、マイカーで移動する機会が多くなっていることも郊外移住につながっている。


米商務省がまとめている新築住宅の着工件数も6月は年率換算で前月比17.3%増の1,186,000戸と大幅な伸びを記録した。

新築住宅の販売も13.8%増となった。


米連邦準備制度理事会 (FRB) は景気回復を目的に事実上のゼロ金利政策を継続。

住宅ローン金利低下の要因となり、購入欲を支える。


米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)によると、30年固定金利は7月16日までの1週間平均で2.98%。

1971年以降で初めて3%を下回った。


(2020年9月1日号掲載)