「30世紀でも記憶に残る」
アポロ11号、月着陸50年
2019年7月3日
米国の宇宙船アポロ11号による人類初の月面着陸から7月20日で50年を迎えた。
ケネディ宇宙センター (フロリダ州) での祝賀式典で、ペンス副大統領は「30世紀になっても多くの人々の記憶に残るだろう。
20世紀の出来事は、これだけだ」と称えた。
式典に参加した元飛行士で、月面を歩いたバズ・オルドリン氏 (89) はツイッターで「歴史的な機会を与えられ、務められたことを誇りに思う」と述べた。
アポロ11号の司令船で着陸を見守ったマイケル・コリンズ氏 (88) は連日、米国各地での記念行事に参加。
「宇宙からは、地球ははかなく見えた」と思いを訴えた。
アポロ11号は米東部時間1969年7月20日午後、月面に到達。
約6時間半後、ニール・アームストロング船長 (2012年死去) が月面に降り立ち「1人の人間にとっては小さな1歩だが、人類には大きな飛躍だ」との有名な言葉を残した。
アポロ11号で人類が初めて月に着陸してから50年になるのを控え、米国では祝賀ムードが広がっていた。
米航空宇宙局 (NASA) は当時の管制室を復元して公開、宇宙船が打ち上げられた7月16日には、当時搭乗した飛行士2人が発射場で思い出を語るなど、記念の企画が目白押しだった。
当時30代の男性飛行士3人が乗ったアポロ11号は1969年7月16日、史上最大、全長110メートルのサターン5ロケットで打ち上げられた。
月の周回軌道に入った後、月上空に残る司令船と着陸船に分かれ、着陸船に移ったアームストロング船長とオルドリン飛行士が月面を目指した。
着陸目前に異常の警報が鳴ったり、燃料が残りわずかになったりして緊迫する場面もあったが、無事「静かの海」と呼ばれる領域で着陸に成功した。
オルドリン氏も続き、約2時間半に及ぶ船外での活動で、星条旗を立て、月の石約22キロを回収。
その後、コリンズ飛行士が待つ司令船に合流。
24日、3人の乗るカプセルは太平洋に着水、帰還した。
50年の記念の今年、NASAはテキサス州ヒューストンの当時の管制室を復元し一般に公開。
16日には、オルドリン、コリンズ両氏が発射場を訪れて心境を語った。
首都ワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館では、アームストロング氏が月で着用した宇宙服を修復して展示するなど、博物館でも多くのイベントが企画された。
(2019年8月1日号掲載)