Friday, 12 July 2024

FRB、利下げ見送り … 2020 年の金利、現状維持

 

FRB、利下げ見送り … 2020 年の金利、現状維持

景気拡大、効果見極め

2019年12月13日

米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会 (FRB) は12月11日、金融政策を協議する連邦公開市場委員会 (FOMC) で、主要政策金利を年1.50~1.75%に据え置くことを全会一致で決めた。

景気悪化を防ぐため10月まで3回連続で実施した利下げを見送り、緩和効果を見極める。

様子見の姿勢を当面続ける方針だ。

2020年の政策金利見通しでは、会合参加者17人のうち、13人は現状の金利水準を維持するのが妥当との考えを示した。

残り4人は0.25%の利上げを見込む一方、利下げを予想する参加者はいなかった。

パウエル議長は記者会見で、米景気は「緩やかに拡大している」 と説明した。

雇用情勢が好調で、住宅投資もこれまでの利下げで持ち直しつつある。

見通しは「引き続き好ましい」と指摘し、想定通りに成長すれば「現状の金利が引き続き適切になるだろう」と指摘した。

FRBは声明で、これまで盛り込んでいた「先行きに対する不透明感」の表現を削除。

世界経済の減速をめぐる懸念が後退したとの認識をにじませた。

ただ、米中貿易摩擦がさらに激しくなれば、景気悪化を防ぐため再び利下げを視野に入れる可能性がある。

パウエル氏は景気過熱を防ぐ利上げに動く際は「持続的かつ大幅な物価上昇を確認したい」と指摘。

物価上昇率が政策目標とする2%に届かない現状では検討しない考えを示した。

FRBは2018年末まで断続的に実施した利上げを2019年に入って休止。

7月から利下げに転じた。

パウエル氏は世界経済の減速や貿易摩擦といったリスクを和らげる 「保険になった」と分析し「経済成長や強い雇用、物価目標を実現する支えになる」と強調した。

11月に行われたトランプ大統領とパウエル氏との会談後、大統領がツイッターに投稿し「金利が他国より高すぎると抗議した」ことを明らかにしている。

FRBが年内最後の12月のFOMCで政策金利を据え置くとの見方が強まっていた中、トランプ氏はパウエル氏に圧力をかけていた。

トランプ氏はツイッターで、米国の政策金利について「あらゆる他の国よりも低くするべきだ」と指摘。

「強すぎるドルはメーカーや経済成長を損なう」と述べ、政策金利が高いためにドル相場が他国の通貨に対し上昇、景気に影響しているとの持論を展開した。

FRBは7、9、10月のFOMCで利下げを3回連続で決定。

トランプ氏はFRBが10月のFOMCで利下げ休止を示唆した後に「ドイツや日本、他の国より金利を低くするべきだ」と利下げ継続を求めたが、パウエル氏は圧力に屈しなかった。


(2020年1月1日号掲載)