9/22/2023
米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会 (FRB) は9月20日、金融政策を協議する連邦公開市場委員会 (FOMC) で、主要政策金利の維持を決めた。
据え置きは2会合ぶり。
同時に公表した経済見通しでは、年内あと1回の利上げ想定を維持。
縮小が続いていた物価上昇率が足元で拡大に転じており、インフレ再燃を警戒している。
パウエル議長は記者会見で「慎重に進める」と述べ、物価動向や景気への影響を見極めつつ利上げの可否を判断する姿勢を示した。
2024年の見通しでは利下げの回数を減らしており、市場では金融引き締めが長引くとの見方が広がった。
FRBが維持する短期金利の指標フェデラルファンド (FF) レートの誘導目標は、5.25~5.5%と約22年ぶりの高水準。
金融引き締め効果のある米国債などの保有資産の縮小は続ける。
2023年末の政策金利は5.6%と、6月時点の予測を維持。
パウエル氏は「適切なら金利をさらに上げる用意がある」と説明した。
実際に利上げするかどうかは今後のデータ次第との従来方針を強調し、利上げしない可能性も残した。
2024年末の政策金利を5.1%とし、来年は2回の利下げを見込む。
6月時点では4回と予測していた。
パウエル氏は利下げの時期については「いずれは来るが、多くの不確実性がある」として、明言しなかった。
FRBは声明で景気判断を「堅調に拡大している」と指摘。
前回7月会合から引き上げた。
雇用については「ここ数か月は減速しているが、なお力強い」と分析した。
2023年10~12月期の物価見通しは前年同期比で3.3%上昇するとし、6月時点の3.2%上昇から引き上げた。
写真: 記者会見するパウエル米FRB議長=20日、ワシントン(共同)