Wednesday, 11 December 2024

民主に新風、30代本格始動

民主に新風、30代本格始動

米大統領選、同性婚市長も

2019年5月20日

 

Eric Swalwell / ©Kim Wilson / shutterstock.com
Tulsi Gabbard / © lev radin / shutterstock.com
Pete Buttigieg / © Maverick Pictures / shutterstock.com

来年の大統領選で民主党の候補指名争いに立候補した30代の政治家2人が地元で集会を開くなど、選挙運動を本格的に開始した。

トランプ大統領打倒を目指す同党の指名争いは約20人が名乗りを上げる混戦。

70代の大物政治家が先頭を走る中、同性愛を公表した若手市長が支持を伸ばすなど、世代交代を訴える政治家らが新風を吹き込んでいる。

「37歳で大統領を目指すのは無謀と分かっている。だが、私たちは行動しなければならない。新世代のリーダーが必要だ」。

昨年同性婚したインディアナ州サウスベンド市のピート・ブティジェッジ市長 (37) は4月中旬、同市で支持者らに立候補を正式表明した。

トランプ氏が支持を広げたラストベルト (錆びた工業地帯) の一角にある同市で「私は (トランプ氏のスローガン)『米国を再び偉大に』とは違う話をするためここにいる。過去と決別し、歴史をつくろう」と訴えた。

全国的に無名だったが1月に出馬意欲を示してから急速に知名度を上げ、党候補指名争いの初戦がある中アイオワ州での最新調査で支持率3位に浮上。

集会では伴侶の男性も登壇し、会場を沸かせた。

ワシントン・ポスト紙は同氏の躍進は「米国民の性的少数者 (LGBT) への意識の変化が背景」と分析する。

民主党若手議員グループ「未来フォーラム」代表、エリック・スウォルウェル下院議員 (38) も地元のカリフォルニア州にある母校の高校で演説。

フロリダ州の高校で昨年、17人が死亡した銃乱射事件を挙げ「生きる権利が何よりも重要だ。銃犯罪を終わらせることに最優先で取り組む」と述べた。

民主党候補指名争いは出馬機会をうかがう重鎮バイデン前副大統領 (76) が支持率首位。

最左派サンダース上院議員 (77) が2位で、オルーク元下院議員 (46) らが追う展開だ。

30代では女性のトゥルシ・ギャバード下院議員 (38) も集会を重ね、浸透を図っている。


(2019年6月1日号掲載)