2024年4月30日
4月29日の外国為替市場の円相場は乱高下した。
アジア市場で一時1ドル=160円台を付けた後に円高ドル安が急速に進んだが、ニューヨーク市場では日米金利差を意識した円売り
ドル買いも根強かった。
米連邦準備制度理事会 (FRB) は4月30日~5月1日に金融政策を決める連邦公開市場委員会 (FOMC) を開く予定で、パウエル議長が
利下げに慎重な姿勢を示せば円安が再加速する懸念がある。
6月とみられていたFRBの利下げ開始時期は9月以降にずれ込む公算が大きくなっており、一部では年内は見送りとの見方も浮上して
いる。
4月の最終週は日銀が金融政策決定会合で現状の緩和政策を維持したことや、植田和男総裁の記者会見での発言を受けて円安ドル高が進んだ。
その後、円が急速に買い戻されており、市場関係者から日本政府・日銀が為替介入を実施したとの観測が広がった。
財務省は介入の有無を明かしていない。
財務省で為替政策を指揮する神田真人 (かんだ・まさと) 財務官は4月30日、記者団の取材に「介入の有無を申し上げることはない」とした上で「過度な相場変動が投機によって発生してしまうと国民生活に悪影響を与える」と指摘。
「国際ルールに則 (のっと) って、しかるべく対応する」とも述べた。
4月29日のニューヨーク市場の円相場は午後5時現在、前週末比2円02銭円高ドル安の1ドル=156円30~40銭を付けた。
ユーロは1ユーロ=1.0716~1.0726ドル、167円33~43銭だった。
(2024年5月16日号掲載)