5/5/2024
アリゾナ州のケイティ・ホブス知事 (民主党) は5月2日、人工妊娠中絶をほぼ全面的に禁じる州法を廃止する法案に署名、同法が成立した。
米メディアによると、7月までに州議会が閉会した後、90日後に発効する。
同州最高裁が有効性を認めた中絶禁止法は早ければ6月下旬に施行される可能性があり、アリゾナ州は州最高裁に施行を止めるよう求めている。
ホブス氏は演説で生殖の権利の重要性を強調。
アリゾナ州民に「安心を与えることができ、誇りに思う」と述べた。
1864年に制定された禁止法は、連邦最高裁が中絶を憲法上の権利と認めた1973年の「ロー対ウェード」判決で死文化していた。
だが、2022年に同判決が覆されたことを受け、州最高裁は今年4月、禁止法が再び施行可能になったとの判断を下した。
中絶容認派から激しい反発があり、中絶権を擁護する民主党の州下院議員が廃止法案を提出。
上下両院が可決していた。
アリゾナ州上院は中絶への反対意見が多い共和党が多数派だが、共和党議員2人が賛成に回り、賛成16、反対14で可決。
賛成した共和党議員は女性票を意識したとみられる。
禁止法は強姦 (ごうかん) や近親相姦 (そうかん) による妊娠を含む中絶を禁じる。
中絶の是非は11月の大統領選の主要争点で、再選を目指すバイデン大統領は生殖の自由を制限すると批判。
返り咲きを狙うトランプ前大統領も「行き過ぎだ」と指摘していた。
(2024年6月1日号に掲載)