5/6/2024
11月の大統領選の投開票まで5か月。
不法移民や人工妊娠中絶に加え、パレスチナ自治区ガザ情勢を巡り過熱する学生デモが争点に浮上した。
再選を狙う民主党のバイデン大統領は左派からイスラエル寄りだと批判され、若者の支持離れが深刻だ。
共和党のトランプ前大統領は自身の刑事裁判に忙殺され、選挙運動の足枷 (あしかせ) になっている。
2020年に続く再対決は、各種世論調査でバイデン氏がやや劣勢とされる。
CNN-TVが4月に実施した世論調査では、18~34歳の若年層の81%がバイデン氏のガザ対応を「支持しない」と回答した。
バイデン氏は5月2日、ホワイトハウスで「無法国家ではない。
秩序が必要だ」と自制を呼びかけた。
イスラエルによるガザ攻撃に抗議して全米各地の大学で居座るデモ参加者が強制排除され、逮捕・拘束者は4月18日以降、約50校で計2,300人を超えた。
1990年代半ば以降に生まれた若者は「Z世代」と呼ばれ、有権者は4,000万人以上とされる。
民主党支持者が多いが、戦闘休止を働きかけつつも、イスラエル擁護の姿勢を崩さない政権に不満を募らせて「バイデン陣営に深刻な脅威」 (CNN) となっている。
トランプ氏は5月1日、ウィスコンシン州で政権が大学の治安を維持できていないと非難し「安全を取り戻さなければならない。
警察の権限を強化すべきだ」と訴えた。
だが、自身は起訴された4事件のうち不倫口止め疑惑に絡む事件の公判が本格化し、ほぼ連日出廷。
巨額の弁護費用が重くのしかかる。
高齢に伴う衰えが指摘されるバイデン氏と、刑事被告人のトランプ氏が共に敬遠され、無所属の弁護士ロバート・ケネディ・ジュニア氏ら「第3の候補」に一定の票が流れる可能性がある。
(2024年6月1日号に掲載)