Saturday, 21 December 2024

「バイデン以外」過半数、次期大統領選で民主 「トランプ支持」割れる、議会襲撃で亀裂露呈の共和

2022年2月15日

CNN-TVは2月13日、2024年次期大統領選に関する世論調査の結果を公表した。

民主党支持層のうち、バイデン大統領が党指名候補として望ましいと答えたのは45%で、バイデン氏以外を求める声は51%に上った。

経済政策の停滞や記録的なインフレで支持率が低迷しており、足元の民主党からも厳しい目を向けられていることが示された。


次期大統領選の投票日時点で81歳となるバイデン氏は、健康状態に問題がなければ再出馬する考えを示している。

バイデン氏が再選を目指すことを望まない人のうち35%は「勝てると思えない」とした。

高齢過ぎるとの理由は19%だった。



共和党支持層に党指名候補を誰にすべきか尋ねたところ、次期大統領選の投票日時点で78歳になるトランプ前大統領との回答が50%だった。

別の人物がふさわしいとしたのは49%

再登板に意欲を見せるトランプ氏への支持が割れている現状が浮かんだ。


昨年1月のトランプ前大統領の支持者による議会襲撃をめぐり、共和党内の亀裂が生じた背景がある。

トランプ氏の強い影響下にある党全国委員会が、議会襲撃は単なる「正当な政治的主張」だったと矮小化を図ったのに対し、党内の重鎮らから批判が噴出。

上下両院の多数派奪還を狙う今年11月の中間選挙に向けて懸念材料になっている。

「正当な大統領選に基づく権力移行の阻止を図った暴力的な反乱だった」。

共和党上院トップのマコネル院内総務は2月8日、記者団を前に、2020年の大統領選結果を覆そうとした議会襲撃を厳しく断じた。


背景にあるのは、共和党全国委が2月4日に可決した同党の下院議員2人への問責決議だ。

2人が議会襲撃を調査する民主党主導の下院特別委メンバーであるのを問題視し、「正当な政治的主張を行った一般市民を迫害している」と特別委を批判。

文面はトランプ氏に近い幹部が起草したという。


マコネル氏は、2人に対する問責についても「大勢と異なる意見を排除するのは全国委の仕事ではない」と批判。

ロムニー上院議員ら一部の共和党重鎮からも党全国委への苦言が相次いだ。


一方、米メディアによると、トランプ氏に近い党下院トップのマッカーシー院内総務は全国委を擁護。

トランプ氏を擁護し続けている若手のホーリー上院議員も「私の地元党員は全国委の判断に賛成だ」と語った。



民主党のバイデン大統領がインフレなどで支持率低迷に喘 (あえ) ぐ中、共和党関係者の間では、中間選挙に向けて生活に身近な問題に注力すべきだとの見方も強い。

共和党のコリンズ上院議員は、2020年大統領選や議会襲撃を念頭に「負けた選挙を取り上げ、犯罪者を弁護するたびに秋の勝利は遠のく」と語った。


支持率調査は今年1~2月、計1,527人を対象に実施。

2012年大統領選に関する2010年時点の調査では、民主党支持層の79%が当時のオバマ大統領を推していた。

オバマ氏は2012年に再選を果たした。


(2022年3月1日号掲載)