2021年9月15日
人気ゲーム「フォートナイト」を手がけるエピック・ゲームズがアップルを独占禁止法 (反トラスト法) 違反と訴えた裁判で、9月10日にカリフォルニア州の連邦地裁が下した判決は、両社の主張を一部ずつ認める痛み分けの内容となった。
エピックは12日、これを不服として上訴する通知を提出。
係争は長期化しそうだ。
地裁判決は、アップルのアプリ市場運営を反競争的としつつ、エピックが求めたアプリ内課金の開放は認めなかった。
アプリ内課金はアップルの決済システムを使って15~30%の手数料を支払う必要があるが、利用者の利便性は高い。
判決は手数料を支払わないアプリ外課金への誘導を認めたが、利用がどこまで広がるかは未知数だ。
米司法省はアップルに対する独禁法違反の調査を進めている。
地裁判決は、独禁法の対象となる市場の範囲を「モバイルゲーム取引」と定義して、アップルのシェアは55%超と指摘。
ただ、他企業の参入を阻害するなどの行為が証明されていないとして、独占企業とは認めなかった。
米当局がどのように判断するかが注目される。
米議会上院の超党派の議員は8月、アップルとグーグルがアプリ市場で自社の決済システムを強制することを禁止する法案を発表した。
日本では、公正取引委員会が独禁法違反の疑いがあるとして審査。
アップルは9月1日、書籍や音楽などを配信する「リーダーアプリ」を対象に、業者がアプリ外での直接課金に誘導するのを容認すると発表していた。
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(2021年10月1日号掲載)