2023年7月22日
米ポピュラー音楽界を代表する歌手トニー・ベネットさんが7月21日、ニューヨークの自宅で死去した。96歳だった。
米メディアが伝えた。
死因は公表されていないが、2016年からアルツハイマー病を患っていた。
力強さと繊細さを併せ持った歌声で半世紀以上にわたって活躍し、最近もレディー・ガガさんらとデュエット曲を発表するなど幅広い世代に支持された。
1926年にニューヨークでイタリア系の両親の下に生まれた。
第2次世界大戦に従軍後、ニューヨークに戻り、1950年にコロムビア・レコードと契約。
最初のヒット曲 “Because of You” (「ビコーズ・オブ・ユー」) で頭角を現し、1962年の代表曲 “I Left My Heart in San Francisco” (「霧のサンフランシスコ」) でグラミー賞を受賞した。
その後のロック全盛期もポピュラー音楽で活動を続けた。
ガガさんと共演した2014年の “Cheek to Cheek” (「チーク・トゥ・チーク」) でもグラミー賞を獲得し、2人で出した2021年の “Love for Sale” (「ラヴ・フォー・セール」) が最後のアルバムとなった。
たびたび来日し、2013年には東京国際フォーラムで開かれた東京JAZZに出演した。
バイデン大統領は21日、ベネットさんが死去したことを受け「私も (妻の) ジルも昔からファンだった。
美しい歌声で、成すこと全てに喜びがあった」と、追悼する声明を発表した。
ベネットさんが第2次大戦に従軍した際、ナチスによるユダヤ人大量虐殺 (ホロコースト) の舞台となったドイツ南部ダッハウの強制収容所の解放に携わったエピソードを紹介し、「人生が伝説的だった」と振り返った。
*Picture:© Adam MnCullough / shutterstock.com
(2023年8月16日号掲載)