2023年7月27日
米連邦準備制度理事会 (FRB) は7月26日、インフレを抑制するため主要政策金利の0.25%引き上げを決めた。
政策金利の誘導目標は5.25%~5.5%となり、2001年以来、約22年ぶりの高水準となる。
FRBは米国債などの保有資産の縮小を続けることも決めた。
欧州中央銀行 (ECB) も7月27日の理事会で追加利上げを決定。
欧米の中銀が金融引き締めを継続していることで、国際通貨基金 (IMF) から世界経済の減速を懸念する声が出ている。
日銀は利上げを決めたFRBとは対照的に、経済下支えのため大規模な金融緩和策を維持するとみられる。
FRBのジェローム・パウエル議長は年内の追加利上げについて、物価や雇用といった重要経済指標の結果次第で判断するとして見通しを示さなかった。
次回会合前の8月下旬にパウエル氏の講演が見込まれ、発言内容が焦点となる。
FRBは6月の会合で、金利を据え置くと同時に、年内にあと2回の利上げが必要になるとの見通しを示した。
今回の決定を受け、残り1回の利上げ実施をめぐる判断に関心が移る。
ただ、パウエル氏は記者会見で、利上げについて「会合ごとに慎重に判断していく」「(9月の会合では) 利上げも、据え置きもあり得る」などと繰り返すにとどめ、手の内を明かさなかった。
▪︎ 連邦公開市場委員会 (FOMC):米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会 (FRB) が金融政策を決める会合。ミーティングは通常2日間で、正副議長と理事、地区の連邦準備銀行総裁らによる投票で金利の上げ下げといった政策を決める。経済や金融市場の動向の分析なども行う。会合後には議長が記者会見を行うことが慣例となっている。
(2023年8月16日号掲載)