2022年12月25日
上院共和党トップのミッチ・マコネル院内総務は昨年12月23日放送のNBC-TVの番組で、昨年11月の中間選挙で同党が上院奪還に失敗した責任は、党穏健派や無党派層を遠ざけたトランプ前大統領にあると批判し「影響力は消えた」と述べた。トランプ氏は求心力低下が目立ち、出馬を表明した2024年の大統領選での党候補指名獲得に早くも暗雲が漂う。
トランプ氏は逆風続きだ。
2021年1月の議会襲撃を調査してきた下院特別委員会が公表した最終報告書で責任を指弾したほか、反乱扇動など4つの容疑で刑事訴追するよう司法省に要求。
同省も特別検察官の下で捜査を本格化させている。
さらに、議会では大統領選の結果を容易に覆せないようにする措置も可決されており、バイデン大統領の署名で成立する。
中間選挙では「2020年大統領選は不正だった」とのトランプ氏の主張に同調する同氏の推薦候補らが、上院選の重要州で相次いで敗北した。
マコネル氏は「『共和党は混乱を引き起こす』という印象をトランプ氏がつくった」と分析。
「干渉されない方が党は上手くいく」と述べ、次期大統領選と同時実施の上院選で勝利するには、トランプ氏と距離を置くべきだとの認識を示した。
共和党では、若手ホープでフロリダ州知事のロン・デサンティス氏が台頭。
マイク・ペンス前副大統領も大統領選出馬に意欲を示している。
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(2023年1月16日号掲載)