2020年11月18日
大統領選で勝利確実となっているバイデン前副大統領が、トランプ大統領の敗北受け入れ拒否により政権移行の引き継ぎを受けられず、情報入手に苦慮している。
感染が再拡大する新型コロナウイルスや安全保障への対応で後れを取らないよう専門家や元当局者らと接触を重ねるが、得られる情報に制約があり、懸念の声が上がっている。
「物資の備蓄量など把握しておくべきことにアクセスできていない」
大統領就任後に待ったなしで新型コロナ対応を求められるバイデン氏は11月18日、医療従事者との会合で不満を表明した。
政権移行手続きを統括する一般調達局 (GSA) はバイデン氏を未だに勝者と認定していない。
現政権で新型コロナ対応を担うアレックス・アザー厚生長官は、引き継ぎにはGSAの認定が必要との認識を示した。
情報機関からの情勢報告も受けられないため、バイデン氏は11月17日、代わりに安全保障専門家らとの会合を開催。
AP通信によると、新型コロナをめぐっても、バイデン氏の政権移行チームがワクチン配布方法を製薬会社と直接協議する方向で調整しているという。
CNNテレビによると、事態を憂慮した現役の当局者、最近辞めたばかりの元当局者ら数人が非公式にバイデン氏の政権移行チームに協力し始めている。
だが、チームの報道担当のケイト・ベディングフィールド氏は「円滑な政権移行には元当局者らの協力だけでは不十分だ」と指摘している。
(2020年12月1日号掲載)