新型コロナでCDCが準備指示
2020年9月4日
米メディアは9月2日、新型コロナウイルス感染症のワクチンをめぐり、米疾病対策センター (CDC) が各地の保健当局に対して11月初めにも投与を始める想定で準備を進めるよう指示したと報じた。
米国では製薬企業3社のワクチンが、それぞれ臨床試験の最終段階に進んでいる。
ニューヨーク・タイムズ紙 (電子版) などによると、CDCは8月下旬に全米50州と5都市の保健当局に文書を送り、11月初めにも2社のワクチン投与が可能になるシナリオを例示。
企業名は明らかにしていないが、冷凍保存の条件などからモデルナとファイザーとみられる。
当初の供給量はそれぞれの社で100万~200万回分。
その後に増える見通しで、医療従事者らが優先される可能性が高いとした。
トランプ政権の対策チームは、効果が明白な場合には試験終了前でも食品医薬品局 (FDA) が緊急使用許可を出す可能性があるとしていた。
11月の大統領選前にワクチンの使用許可が出れば、再選を狙うトランプ大統領にとって好材料となるため、政治的な思惑も指摘されている。
ニューヨーク・タイムズ紙は 「公衆衛生の政治問題化で安全性に悪影響がないか非常に心配だ」との専門家のコメントを伝えた。
(2020年9月16日号掲載)