2021年8月4日
新型コロナウイルスワクチンの3回目接種の動きがイスラエルやドイツで出始める中、米政権は「現時点では不要」と慎重姿勢を崩していない。
サキ大統領報道官は8月2日の記者会見で、専門家が必要性について検討を続けていると説明。
あらゆる事態を想定して準備していると述べた。
国立衛生研究所 (NJH) のコリンズ所長は同日、ABCテレビのインタビューで「米国で実用化したワクチンは高い効果があり、(規定の回数を超える) 追加接種を急ぐべき証拠はない」と強調。
国内外のデータを注視しているとした上で「世界的にワクチン不足で、入手に絶望的な国もある。人口の多い米国が追加接種を決めれば、他の国に行き渡らなくなる」と述べ、発展途上国などへの配慮をにじませた。
米国ではファイザー、モデルナ製と、1回接種で済むジョンソン・エンド・ジョンソン製の3種類のワクチンが実用化されている。
疾病対策センター (CDC) と食品医薬品局 (FDA) は7月8日に、追加接種は不要とする共同声明を発表していた。
ただ、ファイザーは時間の経過で効果が弱まるとして、2回接種後6~12か月に3回目の接種が必要になると主張し、早ければ8月中にもFDAに緊急使用許可を申請する意向。
CDCは7月下旬の有識者委員会で、免疫の働きが低下している人に追加接種の手続きを検討中と説明したが、正式決定はしていない。
(2021年8月16号掲載)