5/5/2024
ロサンゼルスのカリフォルニア大ロサンゼルス校 (UCLA) で5月2日未明、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ攻撃に反対するデモ隊を警察が強制排除し、200人余りを逮捕した。
CNN-TVによると、デモでの逮捕者は4月18日以降、25州の大学40校以上で計2,000人を超えた。
バイデン大統領は5月2日の演説で「抗議する権利はあるが、混乱を引き起こす権利はない」と述べ、大学敷地の一部占拠など違法行為を非難した。
デモは各地で続いており、5月5日時点では収束につながるかどうかは不透明。
11月の大統領選で再選を目指すバイデン氏は、ガザ情勢をめぐって若者の支持離れが目立ち、難しい対応を迫られている。
米メディアによると、ニュージャージー州のラトガース大では、大学側が中東情勢の研究を強化することや、抗議活動への参加者を処分しないことなどに学生らと合意。
デモ隊がキャンパス内のテントなどを撤収した。
UCLAではデモ隊とイスラエル支持派とみられるグループが衝突して負傷者が出ていた。
5月2日未明に突入した警官隊は、抵抗するデモ参加者らを結束バンドで拘束し、テントやバリケードを撤去した。
ニューヨークのコロンビア大で4月30日に起きたデモ隊による校舎の一時占拠などについて、米メディアは警察関係者の話として、逮捕者282人のうち134人は大学と無関係だったと報じた。
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「恥を知れ」。
イスラエルに抗議するデモ隊が強制排除され、学生らが設営したテントも撤去されたニューヨークのコロンビア大で5月1日、大学周辺に再び学生らが集結し、警察への怒りを露 (あら) わにした。
UCLAでも学生らは「ここを去らない」と抵抗の意志を示していたが、警察は強制排除に動いた。
コロンビア大では1960年代後半にベトナム反戦デモが行われた。
ニューヨーク・タイムズ紙は「テレビでベトナム戦争の恐ろしい映像を見て、居ても立ってもいられなくなった学生と、携帯電話でガザの様子を知って行動を起こした学生は似ている」と指摘。
当時と同じ「不正や苦しみに怒る」学生たちだと表現した。
デモ隊とイスラエル支持派とみられるグループの激しい衝突から一夜明けた5月1日のUCLA。
米メディアによると、警察が解散命令を出しても数千人が敷地内に留まり「パレスチナを解放しろ」と掛け声を上げた。
対峙 (たいじ) していた警察は2日未明、バリケードの撤去を始め、次々と学生らを連れ出した。
米国の多くの大学は、運営資金を得るために基金を運用している。
デモの多くはパレスチナへの連帯を示すだけでなく、基金からイスラエルと関係する企業への投資をしないよう大学側に求めている。
UCLAのデモ隊の報道対応や対外発信を担うカイア・シャーさん (23) は強制排除を前に「要求が満たされるまで、ここに籠城する」と地元メディアに語った。
(2024年6月1日号に掲載)