2023年11月7日
米大リーグ (MLB) の球団幹部らが集まるゼネラルマネジャー (GM) 会議が11月7日、アリゾナ州スコッツデールで始まり、エンゼルスからフリーエージェント (FA) となった大谷翔平 (おおたに・しょうへい) 選手と、日本プロ野球オリックスからポスティングシステムでメジャー移籍を目指す山本由伸 (やまもと・よしのぶ) 投手の2人に大きな関心が集まった。
11月7日はア・リーグのGMが報道陣に対応し、マリナーズのジェリー・ディポト編成本部長は
「全30球団が彼に興味を持つと確信している」と、初めてFA市場に出た大谷選手の注目度の
高さに言及。
ブルージェイズのロス・アトキンスGMも「彼が自分たちのユニホームを着てプレーする姿を想像し、興奮しない球団はないだろう」と絶大な人気を強調した。
ワールドシリーズを制したレンジャーズのクリス・ヤングGMは「特定のFA選手にはコメントしない」と言葉を選びつつ「最高の選手。私が言えるのはそこまで」と語った。
山本投手にも高い評価が寄せられた。
ディポト氏は「類いまれな才能の持ち主。国際舞台の大舞台でプレーして日本でのキャリアも素晴らしい」、アトキンスGMも「チームにインパクトを与えられる能力を持っているのは明らか」と絶賛。
日本選手2人がストーブリーグの主役になっている。
幕開けた大谷争奪戦、決着は12月上旬メドか
大リーグで大谷選手の争奪戦がついに幕を開けた。
エンゼルスから自身初のFAとなった大谷選手は実力、人気とも最高峰。
メジャー公式サイトなどはFA選手のランキングで1位に格付けし、投打「二刀流」の行方がオフの最大の関心事だ。
11月6日米西部時間午後2時までは、大谷選手の所属球団エンゼルスだけが条件面を交えながら、規定学で1年契約を求める「クオリファイング・オファー (QO)」の交渉に臨んだ。
エ軍は大谷選手にQOを提示したと発表。
今季QOの規定額は2,032万5,000ドル (約30億5,000万円) で、メジャー公式サイトによると、大谷選手やパドレスからFAとなった先発左腕スネル投手ら7人が提示を受けた。
大型契約が見込める有力選手は拒否するのが通例で、総額5億ドル (約750億円) 超の史上最大規模の契約も見込まれる大谷選手は受諾しないとみられる。
選手がQOを拒否して別のチームと契約を結ぶと、旧所属球団には補償としてドラフト指名権が与えられる。
他球団との本格的な交渉は日本時間11月6日午後2時 (米西部時間) 以降となり、交渉が活発化する12月上旬のウインターミーティング (WM) がヤマ場となる。
昨年、ヤンキースでア・リーグ新記録の62本塁打を放ち、FAとなったジャッジ外野手はWM最終日の12月7日に再契約合意が報じられた。
大谷選手の動向はその後の移籍市場を大きく左右するだけに、12月の早い時期での決着が目安となりそう。
*Picture: © Conor P. Fitzgerald
(2023年11月16日号掲載)