Tuesday, 25 June 2024

前哨戦勝利、民主に追い風 南部州知事選、中絶争点

2023年11月7日

来年11月の大統領選の前哨戦となったケンタッキー州知事選が11月7日に投開票され、民主党の現職アンディビシア知事 (45) の勝利が確実になった。

米メディアが報じた。


人工妊娠中絶の是非が争点で、中絶の権利を擁護する姿勢が評価された。

オハイオ州で同日実施された住民投票でも、中絶の権利を保障する州憲法改正支持された。

民主党に追い風となった。


ケンタッキー州知事選では、共和党のトランプ前大統領が推薦した黒人のダニエル・キャメロン州司法長官 (37) は及ばなかった。

共和党支持の保守派が多い同州での敗北は、大統領返り咲きを目指すトランプ氏には打撃となる。


中絶の権利をめぐっては最高裁が昨年6月、中絶を憲法上の権利だと認めた1973年の判決を覆した

世論調査では米国民の多くが権利を尊重すべきだと回答しており、民主党陣営は争点化を進めて攻勢をかける。


バージニア州でも議会選があり、民主党が下院の多数派を奪還

共和党ホープの一人とされるグレン・ヤンキン知事にとって大きな痛手となった。


ビシア氏はキャメロン氏について、レイプや近親相姦 (そうかん) による妊娠を例外としない厳格な中絶規制を支持していたと指摘し、「被害者より強姦 (ごうかん) 犯に大きな権利を与えている」と批判。

キャメロン氏は妊娠15週より後の中絶を原則禁じる州法案にビシア氏が拒否権を行使し、胎児の生きる権利を奪ったと訴えていた。


CNNによると開票率91%で、ビシア氏の得票率が52.5%、キャメロン氏は47.5%。



(2023年11月16日号掲載)