2021年4月28日
TOTOの温水洗浄便座の販売が米国で伸びている。4月28日に発表した2021年3月期の連結決算によると、カナダを含む米州市場での販売台数が前期に比べ1.8倍に拡大した。
攻略に長年苦戦してきたが、新型コロナウイルス感染拡大を背景とした衛生意識の高まりが追い風になっている。
TOTOは1989年に米国に進出し、洗浄便座を売り込んできた。
日本を訪れたハリウッドスターが絶賛したなどと報じられると、一時的に話題にはなったが、幅広く浸透はしなかった。
ただ、コロナの感染拡大後、米国でもトイレットペーパーの買いだめが起きて一時的に品不足が発生。
水で洗うことの便利さや衛生面の良さが注目されるようになった。
ショールームの設置や、インターネット通販など販売ルートを拡充してきたことも貢献。
北九州市で記者会見した白川敬副社長は「米国でも洗浄便座の本格的な普及の入り口に立った」と期待した。
日本国内では、リフォーム事業が好調だった。
手を洗うときに金具に触らなくても水が流れる非接触型水栓の導入が、学校や住宅にも広がっているという。
同社の2021年3月期の連結売上高は前期比2.6%減の5,809億円だったが、純利益は15.3%増の271億円で増益となった。
(2021年5月16日号掲載)