Saturday, 22 February 2025

米国の夏時間、通年化も 上院で可決、下院焦点

2022年3月17日

上院でこのほど、長い日照時間の有効活用のために毎年3~11月に導入されている夏時間 (サマータイム) を通年化する法案が全会一致で可決された。

夏時間は時計を標準時よりも1時間進めるが、年2回の切り替えに伴う時間変更で生じる混乱、生活リズムの変調などを避けることが通年化の理由。

慎重論も根強く、下院での審議が焦点となっている。 



「毎春、夏時間への切り替え時に睡眠が1時間削られるのはごめんだ」

「(標準時の) 真っ暗な冬の午後は嫌だ」


3月15日の上院採決に際し、未明に実施する年2回の切り替えへの不満が議員らから噴出した。

法案成立には下院で同種の法案可決後、バイデン大統領の署名が必要。

成立すれば来年11月から年間を通じて夏時間が採用される。



ロイター通信などによると、米国の夏時間は1918年に導入された。

昼間の時間を長くし、照明などの燃料消費を抑制するのが目的だった。

現在は3月の第2日曜日に時計を1時間早めて夏時間にし、11月の第1日曜日に標準時に戻す。


今ではエアコンや暖房の電力消費量が増え、節電効果は薄れたとも指摘され、夏時間統一への追い風になっている。


一方で、米メディアによると、睡眠の専門家からは夏時間では「朝が暗い期間が長くなって体内時計が狂い、健康被害が出る恐れがある」として標準時に統一すべきだとの意見が出ている。

1974年にも夏時間統一が導入されたが、真冬には午前8時を過ぎても暗く「通学する児童たちが事故に遭う」などの懸念の声が上がり、間もなく廃止されたという。 



サキ大統領報道官は16日、法案に関し「政権として特定の立場はない」と述べるにとどめた。


(2022年4月1日号掲載)