Saturday, 22 February 2025

米地裁、移民救済「違法」 バイデン政権に打撃

2023年9月14日

テキサス州連邦地裁は9月13日、幼少時に親に連れられて、米国に不法入国した若者らの強制送還を猶予する措置「DACA」 (Deferred Action for Childhood Arrivals若年移民への国外強制退去の延期措置=)」 は違法と判断し、新規申請の承認を停止するよう命じた。

既に措置の適用を受けている若者らの滞在資格には直ちに影響しない。寛容な移民政策を掲げるバイデン民主党政権には打撃だ。


中南米から不法移民が押し寄せる中、移民対策は2024年大統領選の主要争点の一つ。

カリーヌ・ジャン=ピエール大統領報道官は「深く失望している」との声明を発表し、DACAの運用
継続を模索する考えを示した。

最高裁まで争われるとみられる。


訴訟はテキサス、アラバマ、ルイジアナなど南部中心の9州が参加。

オバマ政権が2012年に導入し、バイデン政権も支持するDACAに関し「不法移民の医療や教育などのため、過度な財政負担を強いられた」と主張し、政府などを訴えた。


DACAをめぐっては、トランプ共和党政権2017年に廃止を打ち出したが、最高裁が2020年に廃止決定を認めない判断を表明。

テキサスの連邦地裁は2021年にも新規申請の承認停止命令を出していた。

バイデン政権は昨年、法的な懸念を解消しようと措置内容を是正したが、今回の判決は明確な違いがないとして退けた。


DACAの対象となってきた若者らは「ドリーマーズ (夢見る人たち)」と呼ばれる。

AP通信によると、今年3月末時点で約57万人適用されている。


*Picture:© Sheila Fitzgerald / shutterstock.com



(2023年10月1日号掲載)